されど落し込み釣り ここでは私的に落とし込み釣りを語っています。
どうぞ、かるく読み流してみて下さいね。
落とし込み釣りって、不思議ですね  簡単?難しい?でも悩んでしまうんです。

・落とし込み釣りは何故釣れる?

・落し込み釣りはルアー釣りだ?!
・不自然な動きこそ!効果的な誘い?
・ハリの大きさ、エサの大きさ?
・ハリスの太さ?
・仕掛けの中でエサが一番大きな異物?
・エサは全て白い?
・エイは落し込み釣りのバロメーター!
・バラしたチヌはまたすぐ釣れる?
・釣ったチヌがまた釣れた!
・短竿・長竿
・目印に魅せられて 
・一点鎖線 


落し込み釣りのマナー  釣場は公共の場所です。もう一度マナーを見直しましょう。
 
・シャクリ・トンキューの厳禁
・追い越し・割り込み
・わがままな釣り人
・リリースと放流
・ピクニック
・ソーラス条約って?
・立禁

落とし込み釣りの裏技? 思いがけないことが意外に効果があることがあります。
 
・見せ釣り

・手榴弾
・岩石落とし
・引き上げ釣り?
・浮き船
・いただきます


ここだけの話  エサのお話しです。採る方も使う方も売る方も取り組みは真剣なんですね...
  
・名古屋の兄ちゃんのエサとは?
・マツモトガニの正体
・黒いダイアモンド
・靴下が一番
・ワケシンノス
・タンクの爪の威力

・もしもフカセ釣りで...


 落し込み釣りって、不思議ですね

落し込み釣りは何故釣れる?
「岸壁に自然にエサを落とし込む。真昼の必殺釣法」
伝統と技を持ち、また常に進化し続けている。
どうして落し込み釣りは撒き餌もしないのに簡単にチヌが釣れるのだろう?
カニやイガイが波で洗われて自然に落ちる様子を演出している。と殆ど解説されている。
しかし、カニは波ぐらいで足を滑らせて落ちるだろうか?
はたしてイガイは波で剥がれ落ちるだろうか?
イガイの殻などは毎年朽ち落ちて海底には無数散乱しているはずである。
イガイやその他の着生物や生き物が沢山生息している中で、わざわざ釣り針の付いたエサに何故食いつくのだろう?


落し込み釣りはルアー釣りだ?!
「不自然な動きがチヌを誘っている。」 そう私は思えてならない。
ルアーフィッシングを考えてみると、色鮮やかなjジグ・スプーンやクランクベイト、またコーラの缶の形など、エサとは似ても似つかないルアーを魚がアタックしている。
また実際には落とすときより仕掛けを上げるときの方が、いろんな魚がついて来ているのを何度も目撃したことがる。
同じようにチヌもエサを食いに来ているのではなく、奇妙な動きのエサに苛ついて、ついくわえてしまうのではないだろうか?
イガイは黒光りしている艶のあるものがいい?イガイは何となくルアーのスプーンに似ていると思うのは私だけだろうか?
ルアー釣り師に落し込み釣りをお教えしたときに、今ひとつ理解できない彼に、「底から水面に向かってルアーを引いているのではなく、逆に水面から底へルアーを引いている感覚で落としてみて下さい。」と説明したら、彼は目から鱗が落ちたように真剣に釣り始めた。そしてすぐに40cm級をイガイで掛けた。


不自然な動きこそ!効果的な誘い?
目印仕掛けは自作派は重量と浮力とピッチにかなり拘っている。
一定のスピードで落とすのが定説であるが、実際には目印なる抵抗があるために沈下スピードは徐々に遅くなっていくし、波打つみたいに変化している。
またうねりや潮流や障害物にあたり、落下方向や動きは常に変化している。
一定のスピードとは釣り人の視覚的にアタリの取りやすさであって、チヌの食いには多少落下速度に変化があるほうがいいように思える。
また壁を突っつくように小突きながら落ちていくと異常な食いを見せる。
イガイの内オモリの中京地区の「四日市つけ」、関西地区の「スラーイダー釣法」などはまさにこれである。


ハリの大きさ、エサの大きさ?
アタリが渋いと、釣り人はつい弱気になり、ハリスを細くし・ハリを小さい物に替え・エサも段々小さくなってしまっている。
自然に魚の大きさにハリやエサの大きさを合わせてしまっているのではないだろうか?
人間なら大きなリンゴの方に真っ先にかぶりつくのに...(笑)
私は他の釣友から「エサがでかい!」ってよく言われる。自分的には遠くのチヌにも目立つようにと考えているのだが...
ちなみに私は、4cmの甲羅のカニや10cmのイガイなんてよく使うし、実際に釣れた。


ハリスの太さ?
ハリスの大きさは魚の食いに影響があるか?
いろんな説や実験データーがあるみたいだが、エサの動きが変わるからというのが私の勝手な解釈である。
どんな細いハリスでも魚は見えて(感じて)いると思う。
ある日、家の熱帯魚の水槽に色んなサイズのハリスを縦に張り巡らして魚を泳がせてみた。
するとハリスにぶつかる鈍感な魚など一匹もいない。最初は警戒しているが慣れてくると見事にすり抜けて上手に避けて通る。
私はハリスの大きさはその釣場のターゲットの最大魚に合わせている。
そしてエサの動きが悪くなる(水の抵抗が大きい)のは仕掛けのバランスとラインコントロールでカバーしていると言ったら言い過ぎだろうか...?


仕掛けの中でエサが一番大きな異物?
ハリ先を出したら魚が警戒する?大きなオモリは魚がくわえたらすぐ離す?
ハリスやハリやオモリが命を脅かす釣り人の道具だなんて、誰が最初にチヌに教えたんだろう?(笑)
魚には全て異物と思われているだろうし、動く物は怖い反面興味もあるだろう。
仕掛けの中でエサより大きな異物は無いのではないだろうか...?


エサは全て白い?
釣りに使われるエサの色は白い物が多い。
うどん・飯粒・マッシュといったフナ釣り等の練りエサから、オキアミ・パン粉・麦といった上物釣りの巻きエサ、赤貝・フジツボ・パイプ等の貝類も白が圧倒的に多い。
考えてみるとカニもお腹は白い。魚も上層を泳ぐ魚は背は青や黒が多いが、お腹は白い。
逆に深い底を泳ぐ魚は背が赤くやっぱりお腹は白い。
これは太陽の光のせいで上空から見ている鳥たちには見えにくい色をしているという。
逆に海底から見上げると白い色は見にくい色なんだそうだ。
ということはこれを逆にやれば海中で目立つことになる。
カニは腹を上になるように逆に刺す!?実際には通常の尻刺しでも海中ではひっくり返っていることが多いらしい...
もうひとつ面白いことにイガイは真っ黒なはずだが、ヒラヒラ落ちるところを海中でみると、天気の良い日などは銀色に見えるのである。
そうきっと小学生の頃、理科の実験でやった(卵をローソクで炙り墨を付けて水中に入れると銀色に見える。)光の屈折現象か...
海中で目立つ色と目立たない色が何となく解ってきたぞ。


エイは落し込み釣りのバロメーター!
波止の周りでエイを見かけることがある。小型の赤エイが殆どだがたまに大型のマンタがジャンプすることもある。
波止際に張り付くようにヒラヒラと羽ばたきながら、まるで波止に付着したイガイを食べているようである。
そう、マジに食べているのである。イガイはエイの大好物なんだそうだ。
エイはラインや仕掛けを引っかけるし時々釣れてしまうし、やっかいな外道だと嫌がられる。
そして、エイが居るとチヌは波止には決して寄りつかないだろうと思いがちだが、実際はエイとチヌは共存していてエイの啄んだイガイのおこぼれをチヌが食べているらしい。
姫路のダイバーの話によると、実際にエイの周りには複数のチヌが仲良くついて泳いで廻っているらしい。
エイが居ればチヌも居る。エイは落し込み釣りのバロメーターなのだ。


バラしたチヌはまたすぐ釣れる?
一度バラしたチヌはどのくらい時間をおいて釣れるのだろうか?
私は一度バラした後、またすぐ釣り上げた経験がある。
どうして判ったかというと、まだ落し込み釣り専用のハリがまだ出回っていなかった頃、私はハリや仕掛けに試行錯誤していた。
そして、いつも何か新しいことを試していた。
その日も、初めて使用したハリ(鯉釣り用の茶色のハリに10Aのヒューズを巻いていた。)でいきなり掛けたのだが、スリットでハリスから切られてしまった。
その後も何枚も釣り上げたのだが、2時間ほどして釣り上げた40cm級のチヌの口に、なんと、先程の真新しい鯉バリが付いたままだった。
余程の痛手を与えない限り、バラしてもすぐ釣れるのである。


釣ったチヌがまた釣れた!
ストリンガーに繋いだチヌはエサを食うのだろうか?
自分が釣ったチヌを、それもストリンガーに繋いで泳がしていたチヌをまた釣った釣友がいる。
それは関門海峡の急潮の中の波止での出来事である。
私と彼はいつも何処に釣りに行くのも一緒だった。
私も彼も大きめのイガイで数枚のチヌを釣り上げ、いつものようにストリンガーに繋ぎ活かしていた。
そして彼はもう一枚追加しようと、イガイを真剣に落とし込んでいく。そして見事にかけた。
かなりの型らしく、スリリングなやりとりをしている。
そしてタモ入れした彼は叫んだ。「あれ?このチヌ?ストリンガーが付いている。」
「これ誰かが逃がしたチヌやん。」
しかしながら波止の上に横たわったチヌの口のストリンガーをよく見ると、「あれ?これ俺のやん。」「いつ逃げたんかいな?」
そしてストリンガーロープを手繰ってみると、それは逃げたチヌではなく、繋いでいたチヌだった。
目の前でそれを見ていた私は大笑いしてしまった。

しかし釣れたチヌの口元を見て、私は愕然とした。きちんとハリ掛かりしているではないか。
私の質問に彼はこうも答えた。
「ちゃんとアタりもあって、アワせもちゃんとしたとよ...」


短竿・長竿
落し込み釣りには地方独特の釣り方とタックルがある。
また、好みや流行にもよるが、竿の長短・ハリスの太細・目印の有無・目印の浮力の大小など、数えたらきりがない。
その中でも犬猿の仲である、永遠のライバルは短竿派と長竿派だ。
何故こうも仲が悪いのだろう?
最近は両方使い分けていると節操の無い釣り人とまで言われてしまう。
短竿には短竿、長竿には長竿の長所・短所があるのだから、それはそれでいいと思うし、ましてや和竿は伝統的な美と趣があるのだから、趣味として愛好することは素晴らしいと思う。
決して他の釣り方を誹謗したり否定したりしてはいけないと思う。
聞いてみると、お互いごもっともな言い分ではある。

【短竿和竿派と長竿目印派の壮絶バトル】

 「短竿派の言い分」()内は敵の反論
@手元にアタりが伝わる。(ハイカーボンの方が伝達力がいいに決まってる)
Aエサに触る音が聞こえる。(糸電話と同じ原理だから重たいオモリでラインを張れば伝わるはず。逆に釣り人の振動や物音もチヌに伝わってると思え)
B舐めるアタリが取れる。(チヌには舌は無い)
Cコンパクトで手返しが素早い。(立禁などの泥棒釣りに向いている?)
Dラインの出し入れがスムーズ。(ラインが出る分余分な糸フケも出るし、リールのライントラブルも増える)
Eチヌが暴れない。(魚が引いてこそ釣りは面白いのだ)
F素早く魚が浮く。(測ったことあるのか?ラインが短い分早いだけで気のせいだ)
G取り込みが楽。(竹で柔らかいから適度に曲がり楽に感じる。)
H竿はあくまで手の延長(そんなに短いのがよけりゃ、手で釣ればよい)


 「長竿派の言い分」()内は敵の反論
@離れて釣れるので魚に警戒心を与えない。(そんな長い竿と派手な仕掛け振り回してりゃ、魚が怯える)
A釣り座が高い時は風にラインが吹かれない。(その空中の糸フケでアタりを取らなきゃ!)
B長い目印仕掛けが使える。(慣れてくればラインの動きだけでアタリは十分判る)
C障害物周りでもやり取りが出来る。(不必要に時間がかかり、バラス確率も高い)
D浮力のある仕掛けでゆっくり落とせる。(棚が深い時、途中でラインを送り出せないだろ?)
Eズームしたりして、色んなフィールドで対応できる。(その分前に出れば釣りは出来る)
Fポイントを広く探れる。(自分から動けばいい。食わせきらないから、広範囲を探る必要があるだけ)http://fishon2.fc2web.com/
G目印でアタリが取れるので目が疲れない。(そんなに海面ばかり覗き込んでいたら魚が散る。)


目印に魅せられて 
落し込み釣りに目印(仕掛糸)を使用すると、どうも素人っぽく見えてしまうのは何故だろう?
私も落し込みを始めた頃はそう思っていた。「目が悪い?(糸ふけでアタリが取れない)人が使う物」といった固定観念があったのは事実だ。
関東スタイルの短竿それも鯉釣り竿改造の中通しのロッドから入った私は、最初から”落し込み釣りは中層で食わせるもの”と教わったので、穂先は硬いし糸は出し入れ出来ないし、ラインの動き(糸ふけ)だけを見てアタリを取っていた。
ただ関東スタイルと違うのは、落とし込むスピードは竿先を下げるのではなくて、フロートラインを水面に浮かべていたので、オモリの大きさで調節していた。
カニ餌では問題なかったがイガイの餌では落下スピードが速すぎて釣りにならなかった。
そんな時にあの色鮮やかな発泡シート目印を使った「山本太郎」氏と出会ったのである。
彼の釣りを見た瞬間に「これだ!」と衝撃を受けたのと同時に、山本氏の理論・実績・釣りに対する姿勢に感動さえ覚えた。
山本氏の短パンにスニーカーという落し込みスタイルにメーカーもメディアも食いついた。
そして今日の落し込み釣りの普及をささえたR社の戦略にまんまと相乗りすることになるのである。(笑)

それまでも目印は沢山存在した。単なるラインに着色したものから浮力を持つ物まで...
ビニールパイプにバルサ材や孔雀の羽を削って詰めたもの等は抜群の浮力バランスだった。
彼も色んな目印を試してみたそうで、最後に辿り着いたのが、ヘラブナ釣りのへらウキに付ける蛍光色のシール状の発泡シートだった。
彼曰く、発泡シートの素材の良さ(視認性・吸水性・浮力の調整・加工のし易さ・耐久性)は、ほぼ完璧に近いものだという。
そして何より最大の特徴は”吸水性”だ、
水を吸った目印糸は空中では重量があり、水面では自在の浮力を保ち、水中では適度な抵抗を生み出してくれる。
すなわち、重量があるので高い防波堤や風のある時でも仕掛の操作性がいい。
また、適度な浮力は渋々状態のウキと同じで風や波にも影響されにくく、安定した落下スピードを演出してくれるし、水中での抵抗はハリスと仕掛の張りを維持してくれる。まるで水中ウキの役目を果たしてくれるのである。
今でいう「スライダー釣法」も潮の流れと目印の抵抗が生み出したオーバーハングやスリット攻略の必殺技である。
とにかく目印仕掛が「勝手に落し込み釣りをしてくれる」のである。釣人は水中に沈んでいく目印を目で追いかけているだけでいいのである。
そして実際に使ってみると、アタリは難しいアタリなど全く無い。
”ズルッ”と仕掛が引き込まれていく「引き込みアタリ」か、”ビタッ”と仕掛が止まる「止めアタリ」ばかりなのである。
糸ふけでアタリを取っていた時の”ラインが微妙に動く””震える”などの難しいアタリは嘘みたいである。
こんなに簡単に釣れるものなんだ。改めてそう確認し合った。
それから目印はテトラ・スリット・磯・夜用など進化してバリエーションも増えていくのである。

そして、仕掛糸がある分、長めのロッドを使用するので視線が遠くへ置ける。これは姿勢が随分と楽である。真下を覗かなくていいから、波止際に立たなくていいし魚にも警戒心を与えないかもしれない。
そして、何より長年持病の肩凝りや頭痛から解放されたことが私が一番魅せられた理由である。

目印の材質とピッチによる浮力や性能等については「タックルケース」のコーナーにて詳しくお話しすることにする



一点鎖線 
一点鎖線とはJISで定められた製図用語で長点・短点・長点の組合せの破線のことで実際に書くと次のようになる。

破線     −−−−−−−−−−   (かくれた部分を意味する)
一点鎖線  −・−・−・−・−・−・−・  (中心を意味する)
二点鎖線  −・・−・・−・・−・・−・・   (参考や想像部分を意味する)

そしてこの”一点鎖線”は最も見やすいマーキングの形なのである。
目印仕掛の目印の大きさと配列は殆ど10mm前後で作られている。これの両端に3から5mmの目印を付けると ・−・ となり、まさしく一点鎖線になるのだが、これが実に見やすい。
視覚に強烈に飛び込んでくるのである。
これを最初に目印に応用したのはR社の当時のテスターで山本太郎氏の友人でもあるN氏だった。
発泡シートでこの目印を10cmのピッチで3m作るとたっぷり30分はかかる。実に手の込んだ目印だった。
それから私も目印には必ず”一点鎖線”を付けているのである。
そして今では上下が判別出来るように上部のみに短い目印を装着している。
私はライン自体にもマーキングを施している。
ラインの場合は逆に −・− と見えるように、黒で間を抜く感じで、50mmそして間を10mm空けて50mmを黒色の染料で着色している。さらに1mづつに配置して水深を判りやすくしている。
このラインは「BAY STAGE」ブランドで意匠登録済みで市販もされている。


                          
 落し込み釣りのマナー    

シャクリ・トンキューの厳禁

シャクリ釣りとトンキュー釣りは絶対にやってはいけないと思う。確かに釣れる。しかしチヌは警戒して波止に近寄らなくなり、釣れなくなるのは明らかだ。以前は釣り大会や渡船でも厳しく指導していたのだが、最近はまた増えているように思われる。それも秘伝釣法として堂々と教えている御仁やクラブもあるらしい。
10年以上前に関西の渡船店や友人から聞いた話を紹介したい。
来るたびによく釣る遠征グループがいた。あまりに釣るので、どんな釣り方をしているのかそっと盗み見したらしい。
するとアタリもないのに一投一投アワせを入れて引っかけ釣りをしていた。実際に目の前で数枚チヌを掛けた。そのグループはそれから出入り禁止になったのはいうまでもない。

そこで、この最悪のマナーのことを詳しく解説したい。
「シャクリ釣り」とは毎回一投毎にアワセを入れることで、ワンストロークの釣りの終わりがアワセで終わる釣り方だ。
似たような操作はサーフや底物釣りにも非常に多く行われ、上物釣りでも時々見かける。
何の為にやるのか解らずに、つい癖になっている釣り人が多い。
エサを外す手間を省いている?根掛かりを防ぐ?余分な糸フケを無くす?等等??
ほんとの気持ちは「もしかして魚がかかっていたらラッキー!」が、正解ではなかろうか?
そして実際にかかってしまうのが落し込み釣りのシャクリ釣りなのだ。

聞きアワセとシャクリは紙一重?
私は”聞き”と”アワセ”は本来別であると思っている。
”聞き”とはラインを張って竿先にそっとテンションをかけ、エサがどういう状態にあるか確認する動作のことで、この時チヌの生体反応があれば”アワせ”を入れるのである。生体反応が無ければエサを移動させるか誘いをかけるか引き上げるかの次のステップへ移行する。あくまでもそっと...
決して”聞き即アワセ”ではないのである。

聞き合わせは秘伝の釣法?
「着底したのかチヌがくわえているのか解らないのだから、まずアワセてみる。」
これは大間違いである。中には堂々と10回聞き合わせをすると3回は釣れるとか、1から3秒がいいとか、いや5秒から7秒だとかタイミングまで解説している。
「トンキュー釣り」とは短竿釣りに多いらしいのだが、もっともらしく竿先を下げながら丁寧に底まで落とし、トンと底に着底したら数秒後にキューと引き抜くようにソフトにアワセるシャクリ釣りの高度テクニック。
トンキューの達人は、さも仕掛を上げるように次のポイントへ移動しながらアワセている。そして掛かった時は必ずこうおっしゃる。「おっと!」

極論をいえば釣りだから、釣れれば誰も文句は言えない。
しかし、極端にハリを出してしまっているエサの付け方は何とも頂けない。
初心者ならいざ知らず、3回アワせたら1回は魚をかけないと「釣った」とは言えないのではないだろうか?
ご自分がシャクっているのを気付いてない方がおられるのが残念でならない。


追い越し・割り込み
複数の釣り人が同じ波止の上で落とし込み釣りをやっていると、釣るリズムがそれぞれ違うために、交差したり追い越したり割り込んだりする場面が生じてくる。
今更と言われるかもしれないが、私はあらためて自分に言い聞かせてみた。

観音まわりする時は必ず後ろの釣り人の最後方まで戻って、最低でも10m以上は離れてから釣り始める。
離合する時は潮下へ向かっている釣り人が優先。「後ろを通ります。」と一声掛けて。
どうしても追い越さなければいけない場合は「追い越していいですか?」と断ってから、10m以上先まで離れてから釣り始める。
割り込みは誰もいない場所へ、せめて他の釣り人と10m以上は離したい。

防波堤の上で足下のコンクリートや鉄の柱類などで海中に伝わるような物音を立てることはいけないことだと解っているのに...走る・叩く・スパイクシューズ等は困ったものだ。
人の気配をさせるのも出来るだけ避ける。
不必要に海面を覗かない、海面に陰を落とさない、ロッドを振り回さない。
忍者の如く気配を消して...


わがままな釣り人
釣りという趣味は所詮「自分だけ釣れれば良い」の世界なのだが、極端なわがままは困る。

渡船が嫌がるわがまま釣り師ワースト10
@釣れないと全く釣りに来ない。
A釣れると聞いたら強引にその場所に行きたがる。
B釣れないとすぐ波止替わりを申し出る。
C回収の時、道具は遙か彼方に置いているからと取りに行かせる。
Dエサや仕掛けならまだしも、飲み物やたばこを配達させる。
E他の場所に明日釣り行くからとエサだけ取りにくる。
Fやたら酒を一緒に飲みたがる。
G釣り道具や用品を自慢してプレゼント攻撃する。
H自分のお気に入りのメーカーのシールを船に貼らせたがる。
Iホームグランドと豪語しながら、釣れると聞いたら何処までも遠征する。


釣具店が嫌がるわがまま釣り師ワースト10
@道具もエサも買わないのに釣果自慢のコーヒーの自販機の常連
A魚拓だけ取らせに一年に一度訪れる七夕釣師
B手作りの道具をやたら他の客に自慢して、店に置いて販売したがる。
C他店や安い入手ルートをこっそり客に教える。
D人から貰った賞品やモニター商品を横流しする。
E他店で買ったり人から貰った道具の修理だけ持ってくる。
F調子を見ていて過って穂先を折っても、そのまま仕舞い知らんぷりして黙って帰る。
G自分の取引先のメーカーの道具を平気で直販するメーカーの回し者
H自分の貰った道具を平気であげたり、人に安く売りさばくテスター・モニター。
I駐車場を勝手に集合場所に使い、何台も車を駐車する。


リリースと放流
テレビの釣り番組を見てると「キャッチアンドリリース」が主流みたいだが、
本来の男の狩猟本能とは家族の為に食い物を確保するのが務めなのだから、ちゃんと持ち帰って食べる「キャッチアンドイート」が理想だと思う。
もっとも釣り過ぎると、ご近所や友人も電話しても取りに来なくなるし、いつまでも冷凍庫に保存されることになる。
それなら必要以外の乱獲を避けてリリースしてあげたほうがいいのは言うまでもない。
小さな魚を沢山リリースするよりも、春先の抱卵チヌを釣らずに産卵させればもっとチヌは減らないという声もある。
リリースにはリリースのマナーがあると思う。魚を傷付けないとかは勿論だが、わざとらしく他の釣り人の目の前でリリースするのではなく、人の見ていないところでそっと帰してあげたい。
釣れてない釣り人にはリリースは嫌みに見えることを忘れてはいけない。
出来ればタグを打って追跡調査をすればいいのだが、タグの道具や打ち方も難しいので、もう少し研究の余地があると思う。
関東では盛んに行われており再捕獲の実績が年々上がっていて、近い将来チヌの回遊の実態が明らかにされるであろう。
博多湾沖の防波堤でも2003年からタグ&リリースが始まった。同じ魚が1シーズンに同じ場所で3回も釣れたり、船着き場で放流しているのに釣れる場所は決まっているとか、1年後に再捕獲されたり、これは素晴らしいことだ。
稚魚放流もタグ&リリースもこれからも続けていかなければ...。


ピクニック
釣りの楽しみは釣場での飲食もひとつの(最大の?)楽しみである。
コンビニのおにぎりも美味しいし、バーベキューセットを持ち込んで焼き肉ならビールが美味い。夏場はソーメンや蕎麦がいい。
しかし、ここでひとつ大きな問題がある。それは食事の前後に発生するゴミの問題である。
コンビニのおにぎりはセロハンの一部を引っ張ると左右に分かれパリパリの海苔がご飯に巻かれる。しかし左右に分かれたセロハンはその後はどうしているだろう?ポケットに突っ込む?クーラーに戻す?風に飛ばされる?
海面に舞うバーコードシールの付いたセロハンを何度目撃したことか...
缶飲料を飲み終わって、そのまま釣場にポイ捨てする釣り人はまず居ない。いや居ないはずである。しかし飲みかけの缶を置いたままにすると風でカランコロンと波止を転がりやがて海に落ちる。
問題は缶の形状にあると思う。どうして缶は円柱じゃなくて四角形にしないのだろう?四角形にすれば転がらないのに...
またもう少し量を少なくすれば飲み干してしまえるのに...
いくら愚痴ってみてもゴミ問題は解決しない。
それぞれのマナーがどうだ、モラルがどうだの綺麗事では決して良くはならない。
そうだ!釣場にゴミのもとを持ち込まなければいいのだ。
釣りは今はもうピクニックではいけないのだ。

私は今日からは決意した。
@食事は済ませて波止に渡ろう。
早めに起きるか、渡船を一便遅らせてでも、食事を済ませて出掛けよう。
道中お腹空いたら、ジョイフルにでも寄って食事を済ませて行こう。慌てなくても魚は釣れる。
A「ながら族」を止めよう。
運転しながら、携帯しながら、釣りながら、...しながら。釣り人にも「ながら族」が多い。
飲んだり食べたりしながら...は止めて釣りは釣り・休憩は休憩と癖を付けよう。
B手弁当と水筒を持っていこう。
おかあちゃんにお願いして子供の遠足みたいにお弁当作ってもらおう。おかずは卵焼きと塩鮭がいいな...
C出来るだけコンビニは寄らない。
寄ったら余計な物まで買ってしまう。寄らなきゃ買えない持ち込めない。
つい私がコンビニで買ってしまう物。「ビール・ブラックコーヒー・のど飴・ガム・いか足カムデー・リップクリーム...」

コンビニ・お弁当関係者の皆さん、ごめんなさい。



ソーラス条約って?
「ソーラス(SOLAS)条約」とは1927年、北大西洋上で起きたタイタニック号沈没事故を契機に定められた「海上における人命の安全のための国際条約(Port facility security plan)」で世界の150カ国余りが批准している。
この条約はこれまでも船舶や港湾設備の発展、海上交通の安全確保などに合わせて改正されてきたが2004年7月1日に2001年9月に起きたアメリカ同時多発テロを契機に、国際テロの阻止を目的として、船舶および港湾施設の設備や保安体制などの強化義務が盛り込まれた。
我が国でも国際航路を航行する500t以上の貨物船、旅客船に供する岸壁などにおいて保安強化が義務付けられ、立入が制限されている場所がある。対象となるのは護岸・防波堤・航路であり、そこには立入を制限する看板は勿論、フェンス・ゲート・監視カメラ・センサー・照明施設などの設置や保安員(警備員)の配置されいる場合もある。
例外としては国内航路だけを通る船が停泊する埠頭や岸壁・漁港・防波堤・防潮堤・臨海緑地・釣り公園などは対象外だ。

※現在の規制区域については下記「港湾局管理課港湾保安対策室」の資料を参考にしていただきたい。
参考:「国際船舶・港湾保安法に基づく埠頭保安規程等の承認について」
http://www.mlit.go.jp/kowan/port_security/00.html

加えて現状では各地で釣人や港湾施設でのレジャー客のマナーが問題になっている。
安全意識の希薄さや無謀な行動による落水事故・ゴミの放置・違法駐車・集団暴走行為・深夜の騒音・釣場での割り込みや独占・釣法の違いによる釣り座争いやいがみ合い・施設の破損や落書き・漁業者や漁港管理者とのトラブル等...

では我々は今後どう対応したらいいか?
それは制限区域には入らないのは勿論だが、現在釣場として解放されている釣場を守るしかない。
その為にはまず「安全第一」である。事故さえ起こさなければ”危険”だと言われることはないのである。
ライフジャケット等の着用は勿論、釣人一人一人の自覚と行動が大事なのだと思う。
安全釣行を心がけ、ゴミはきちんと持ち帰り、車をちゃんと駐車スペースに駐車し、釣り場の施設を汚したり壊したりせず、乱獲を慎み、稚魚は逃がしてやり、漁業や工事の邪魔にならないようにする。
そして釣りがもたらす地域への貢献と経済効果を定着させれば釣場は絶対に無くならないはずだ。


立禁
護岸や沖波止には「ソーラス条約」に基づく制限区域以外にも立入禁止区域が設定してある。
また立禁ではなくても企業や個人の私有地であり、釣りをするには許可が必要な場所もある。
最近、立禁での釣りが問題になっている。
立ち禁は誰も竿を入れていないのだから釣れるのは当然である。
そこへ早朝から入り、注意されるまでのワンチャンスを例えものに出来たとしても果たして満足の釣りだろうか?
大会へのノミネートは勿論、釣り仲間に自慢出来るのだろうか?
別の場所で釣ったと嘘言って「今度連れて行って」と友人に頼まれたらどうするのだろうか?
そこまでして釣りたいのか?っと疑問に思ってしまう。

また釣人側も常に「立禁という特別な場所で釣らせてもらっているんだ!」っと謙虚な対応で接すればトラブルも少ないのだろうが、やっぱり時々トラブルを耳にする。
挨拶やお礼は勿論、釣場を汚さない。漁業者や工事従事者の邪魔はしない。
など

そんな私も確かに”立禁”でいい思いをさせていただいた経験もある。
例えば工場の敷地内に特別に入れて頂いたり、工事中の護岸に作業が無い休日に立ち入ったり...
だが何となく釣果は自慢できない。後ろめたさもあるが、釣場を他人に紹介出来ないのが一番の理由だった。
例え立禁ではなくても、新しいポイントを見つけた時には誰でも人には教えたくないものだ。
身内(クラブ員)に釣らせてやりたい!とか会員思いのリーダーもおられるだろう。
しかし、言わずとも情報は必ず漏れるものだ。
そして釣れると聞いたら、時間とお金に都合を付けて、どっと釣人が我先に押し寄せる。
今はホームページなるものがあるから余計に情報は速い。

私も昔、大型石鯛が釣れる場所を見つけて、釣果を隠して持ち帰ったり釣場を公表せずに問題になった嫌な思い出がある。(汗)
だから今では釣場や釣果は公開を原則にしている。
こんなことをいうと釣りに誘って貰えなくなりそうだが、勿論、教えて頂いた丸秘ポイントは開拓者に敬意を表して、お許しが出るまでは絶対に釣行記録と釣果は公表しませんよ。

ルールを守って、マナーよく、みんなで楽しくやりましょうよ...


 落とし込みの裏技?

見せ釣り

テトラやスリットで効果的な技。
テトラやスリットでは構造的に、中に居るチヌから見れば、まるでトンネルから外を覗くように窓が出来る。
形はテトラやスリットの形状にもよるが丸・四角・長方形・六角形など...
その前に一度エサをぶら下げてちらっと見せてやり、すぐ仕掛けをあげる。
そして今度はゆっくりと同じ場所に落とす。
これが、なかなか効果があるのだ。


手榴弾
どうしても波止際でアタりがない時など、前打ちするのが常とう手段だが、前打ちの効果は速い者勝ちである。
波止に立ったら、他の釣り人がやる前に一度は投げてみる。
そのままの仕掛けでいいから、よく飛ぶように重めのオモリに替え、大きめのイガイやカニを付ける。
ラインを手元に10m程(長ければ長いほどいい)引き出しておいて、ポイントと思しき場所に向かって、下手投げで出来るだけ遠くへ放り投げる。投げたら素早くラインを送り出してやり、エサを潮に乗せて自然に落とし込む。
チヌが居れば殆ど一発で食ってくる。出て行くラインがすすっと速くなったり、ぐぐっと竿先を押さえ込んでいく。
一日一度の捨て身の投げ技である。



岩石落とし
チヌが見えているのに食わない。人の気配をさせるとすぐ離れていくチヌ。
何とももどかしい時間をただ過ごしてしまう。
見えるチヌを釣ることが出来ないだろうか?
何とか気配を無くす方法はないだろうか?
そして私は必殺技を編み出した。
まず、ノーシンカーでイガイをハリに装着する。
そして遙か遠くの潮下に向かって波止のコンクリートの上にエサを乗せるように、前打ちする。
海面にではなくてコンクリートの上にである。
そして、あたかも石ころが自然に落ちるように、ロッドを操作して海面にポチャンと落とすのである。
また、 海面に気配を見せないように、先回りしてエサを波止のコンクリートの上の端っこギリギリに置いてくる。
この時決して物音を立てたり、敵に察知されてはいけない。
仕掛けはラインをそっと引き出して、10m程その場を離れる。
そして同じようにポチャンと落とす。
ポチャンの水音でチヌが逃げてしまいそうだが、これが以外に簡単に食ってくる。
名付けて岩石落とし...


引き上げ釣り?
アタりがなくて次へ行こうと仕掛けをそっと引き上げる時に数匹のチヌが付いて来ているのを何度も見たことがある。 そして目が合った瞬間にさっと反転して潜っていく...
私は思った。引き上げている途中でチヌを食わせることは出来ないだろうか...?
そして実際に何度かアタりだけは経験したことがある。
その時はアワせることは出来ずに一度もハリに掛かることは無かった。
しかし、途中で小刻みに止めながら引き上げたらどうだろう?
さっそくやってみた。虫エサでは何度も釣れた。確かに効果がある。
イガイでも釣れた。しかしカニでは駄目だった。
落し込みは海底に向かってエサを落としながら釣るのだが、逆に底から引き上げながら食わせる、まだ未完成の高等テクニック。


浮き船
梅雨の大雨の後、いつものように河口に位置する切れ波止に渡った。
海面を見ると、大雨の影響で茶色い泥濁りの濁流が流れ込んでいる。
また、色んな草木の枝や葉っぱやゴミが一緒に浮遊しながら、波止際まで押し寄せている。
小動物の死骸や生活ゴミまで...。
これでは仕掛けを落とそうにも隙間が無い。いや、あるにはあるのだが、浮遊物が微妙に絡み合って流れているので、隙間が出来ては無くなるの繰り返しである。
隙間が出来た海面にすかさず仕掛けを落としても、目印が沈んでいかないうちにゴミに仕掛けが引っ掛かる。
これでは釣りにならない!諦めかけたその時、仕掛けが絡んでいる草のかけらが川の流れと逆にスーっとゆっくり動き出した。「あれ?
引っ掛かったかな??」 ゆっくり仕掛けをあげてみると、ぐぐっと引き込んでいく...。チヌだ!それから私はハリス分だけを海中に沈めて仕掛けを浮遊物に引っかけたままポイントに流してみた。するとまた流れるのがピタっと止まった。木の小枝などはまるで茶柱が立つように、垂直に立ったりする。まるで「寝ウキ」のようだ。大雨の後の濁りの中では、こうも大胆にチヌは食ってくることがある。
名付けて「浮き船」。


いただきます。
釣り人は「ジンクス」や「ツキ」「縁起」などを信じやすい。結構拘っている。
スポーツやギャンブルの世界でも同じらしい。
私はあまり気にしないが、釣りのジンクスには「行きがけに四つ足を見たら釣れない」「前の日に○○○○を触ったら釣れない」「みかんを食べたら釣れない」「道具や服など何か初おろしすると釣れる」などなど...気にしだしたらきりがない。
また、動物的感というかテレパシーというか、この人は魚と話が出来る?と思われるくらい、状況を見て潮を読み確実に釣るし、人の釣果も言い当てる仙人がいる。
何事にも動じない沈着冷静なマイペースのタイプの釣り人もいる。

逆に小さな出来事がきっかけで精神的に崩れて実力を出せないまま自分を見失う、ストレスに弱い釣り人もいる。
中には持って産まれた強運で大会等で実力以上の力を発揮する本番に強い釣り人もいる。
そして、釣り大会やテレビや雑誌の取材等ではそれが顕著に表れる。

例えば一人絶好調の釣り人が居たとする。
そこでその人のツキを奪い取るのである。
その人のエサを一個貰う。たばこや飲み物や食べ物を貰う。ハリ・ハリスなどの仕掛けを貰う。握手する。抱きつくといったスキンシップをする。そしてその時には必ずこう声を掛ける。「ツキ、いただきま〜す」
以外とツキが移ってしまった気になるから面白い。




 ここだけの話     

名古屋のにいちゃんのエサとは?
20年程前、ある福岡市内の釣具屋さんが波止「博多沖防」渡しの渡船を始めた頃は、夜のメイタ(チヌの小型)の脈釣り(コスリ釣り)が殆どだった時代で、まだ昼間の落し込み釣りは少なかった。
博多沖防には釣り針にヒューズを巻いた仕掛けにサイマキエビを使った伝統の「フカセ釣り」があったが、極々一部の名人達の間だけで行われていた。やがてエサの豆ガニ(チゴガニ)の登場で、真昼のメイタ釣りが盛んになってきた頃、関東や中京・関西方面からの転勤族や出張族も釣りに訪れるのである。
そんなある日、硬めの長いロッドにフライリール・そして片手には木製のカニ桶を下げて、型のいいチヌを釣っていく若い釣り人が現れた。
釣具屋さんもみんな「名古屋のにいちゃん」と呼んではその釣果に感心していた。
ある時、船長さんがエサ桶の中を見せて貰ったら、でっかいカニが数匹入っていたらしい。
今では何の違和感もないイワガニなのだが当時は考えられないエサに見えたのである。
そうしたら名古屋の兄ちゃんは、「このカニは何処にでも居なくて名古屋から持ってきたんですよ。」と、自慢そうに言ったらしい。
その時、船長さんは思ったそうである。このカニは何処にでも河口にいる、カニに似ているけどなぁ...
釣具屋さんのすぐ側には大きな川が流れ河口になっている。干潮時には川べりにはごろた石が現れる。
ある日、釣具屋さんの窓から船長さんが何気なく川の方を覗いたら、そこには人目を忍ぶように石をめくってはカニを採取している「名古屋のにいちゃん」の姿があった...

その名古屋のにいちゃんは今も常連である。そして私の大事な釣友の一人である。


マツモトガニの正体!
大分県は大野川河口のテトラはチヌ釣りラッシュに沸いていた。時化後の濁りの日などは我々も、こぞって押し寄せた。
(地元大分の釣り人の皆さんには大変お世話になりました。ありがとうございます。)
連日50オーバーが続出する中で、やはりどうしても釣れない時もあった。
その日も台風後の好条件のはずなのに誰一人としてアタリが無かった。当然エサはイワガニなのだが、手を替え品を替えても食ってくれないのである。
そんな中、58cmを頭にでっかいチヌをぶら下げて来た釣友がいた。彼曰く「5枚来ましたよ。手前の穴の中で、棚は上の方でしたよ...」信じられない!みんなで感心していたのだが、エサを見てまたびっくりした。自分だけ違うカニを使っているのである。そのカニは茶色いボディに全体に毛が生えていて、すばしっこいカニだった。
それから、そのカニは彼の名前を取って「マツモトガニ」と呼ばれるようになった。

後から解ったのだが、そのカニの正体は「カクベンケイガニ」である。
石積みや岸壁のコンクリートの割れ目に住み、海水を嫌う。
水中に入れるとすぐ死んでしまう。溺れるのである。
だから水中でもがき苦しむので、その動きはチヌを誘うには抜群なのだ。

マツモトガニ...別名「陸ガニ」とも「溺くれガニ」とも呼ばれている。


黒いダイアモンド
今ではポピュラーなカラス貝(イガイ)も使い始めは私自身随分抵抗があった。
こんな石みたいなエサで...ほんとに釣れるのだろうか...?その当時、博多湾ではカニが主流のメイタ釣りでは一年に500枚以上も釣り上げていても、そのうちに30cmオーバーは数枚混じる程度の釣果であった。40cm以上のチヌなんて夢のまた夢だった。
そんなある日、私はどうしても自分の目で確認したくて、自費で某メーカーの落し込み釣りの全国大会を大阪まで見学に行った。
そこでカラス貝の威力を目の当たりにしたのである。それはもうカルチャーショックだった。
それから地元九州で、まずは遠征から使い始め試行錯誤を繰り返し、私にもやっと釣れるようになった。
そして、石みたいなエサが「黒いダイアモンド」に変わったのである。
その頃私はカラス貝を隠して使っていた。もちろん釣れるかどうか解らない恥ずかしさもあったが、釣具屋さんのたっての頼みがあったからだ。「カラスガイで釣れるなんて、絶対言わないで欲しい。」それはエサで生計を立てている釣具屋さんやカニを採取しているパートのおばちゃん達には死活問題なのかも知れない。
しかし、いつまでも隠しきれずに、とうとう問題が起きてしまった。
私も隠して使うような、せこい釣り人のレッテルを貼られてしまったし、釣具屋さんの関係者には暫く口も効いてもらえなかった。
「カラスガイをエサとして売って下さいよ。絶対売れるから...」
さんざん説得したのだが、「カニが売れなくなるばかりか、客は自分でカラス貝を採取するから誰も買わない!」の一点張りである。
そんなこんなしているうちに、博多湾の「メイタ」が突然に激減するのである。
護岸の浚渫工事か、博多湾埋め立て工事の影響か...生態系の変化か?
そしてこれではいかんと、『博多湾のメイタを守る会』が発会して稚魚放流を始めたのだ。
そして釣人の放流マナーの向上とともに落し込みブームも手伝って、博多沖防も全国区になり釣りクラブも出来て交流や情報交換が盛んになった。カラス貝が黙認されるどころか大型が釣れる特効エサとして評判になってきた。
結果的には、メイタが少なくなり、釣り人も減り、数は出ないが大型のチヌが釣れ始め、エサも種類が増えカニも豆ガニからクモガニやイワガニも常備され、そしてとうとうカラス貝のパック入りが販売されるようになった。
釣具店も日陰に育った軟らかい粒の揃ったカラス貝を採取して水槽に活かし常備してくれている。
色艶といい、形といい、まさに「黒いダイアモンド」だ。

あのカニ取りおばちゃんは今頃どうしているだろう?おばちゃんの仕事を奪ったのは私かもしれない...


靴下が一番
イワガニ・ヒライソガニといった最もポピュラーな万能エサも九州では何処でも採取出来るが、関東や中京・関西ではは釣具店で購入するのが一般的である。最近は九州でも「チヌガニ」と称して釣具店でよく売られている。
一匹20円から25円が相場らしい。
そんな高価なエサも多量に確保するとなると、採取・輸送・保管は大変である。
保管方法はいろいろと紹介されているので、輸送方法についてご紹介したい。
そんなに高価ならと、関西の釣友にイワガニを送ってあげることを思いついた。
輸送方法を色々試してみたのだが、こちらで遠征の時に使用している、タッパー容器に穴を開け、中にはスポンジマットを敷いて海水を湿らせてカニを入れ、段ボールに箱詰めして宅配のクール便で発送した。すると見事に半分は死んでしまうのである。
そこで関西まで出かけ地元の釣具店の輸送方法を教えていただいた。
それは靴下のような布製の袋(巾着袋に入口を紐で縛るようにしたもの)に粗めの砂を入れカニを詰めて送るという。
こうするとカニが動けないので死なないし、死んでも他のカニに影響を与えないのだそうだ。海水はほんの少し砂を湿らせる程度で大丈夫だそうだ。さっそく、この方法で送ったところ、見事100%活きていた。
やはり関西は進んでいるのだ。エサの輸送方法にしても...


ワケシンノス
九州ではなかなか使われないエサの一つにイソギンチャクがある。
関西から遠征してくる釣友がどうして使わないのか不思議がっていたのだが、イソギンチャクにも種類が沢山あって、どれがいいのかわらなかったのが正直なところである。すると、その関西の釣友は九州の特集テレビでそのイソギンチャクを見た。と電話してきた。
それは有明海の海産物を紹介するテレビ番組で、ムツゴロウ・アゲマキ・ワラスボ・クツゾコなど、珍しい有明海特有の海産物とその料理を紹介していたらしい。その中で落し込みにいいとされる、イソギンチャクと同じ物が登場するのである。
正式名称『イシワケイソギンチャク』有明地方では『ワケシンノス』通称ワケといい、漢字で書くと「輪毛尻巣」とも「若尻穴」とも書き、卑猥だが”お尻の穴”に似ているから、こんな名前が付いたらしい。筑後や佐賀地方では魚屋さんに普通に売られていて、郷土料理には必ず登場する。私も何度も食べたが、刺身・みそ汁・煮付け・串(塩)焼きにして食するのだ、これが結構美味しいのである。
やはりチヌはグルメである。


タンクの爪の威力 
関東地方でよく使われる「タンクガニ」は1匹50円から80円もするという。
エサとしての効果と使用方法はあまり我々九州人には馴染みがない。
しかし私は数年前「タンクガニの爪」の威力を見せつけられたことがあった。
それはメーカーのビデオロケの撮影の日のことである。
10月の半ばの関西地方の防波堤。その日は早朝からロケに入り、4人の釣り人が交代で得意の釣を撮影するという台本だった。
私は秋口ということもあって、定番のフジツボのエサで型のいいチヌを運良くカメラの前で一枚釣り上げることが出来た。
私の出番は終えたが撮影終了まで釣りを続けていた。
しかし、午前中はフジツボでアタっていたのだが、午後はさっぱりアタリがなくなって、みんな苦労していた。
そこへ渡船が近づき、地元の釣り人が数人渡ってきた。釣り始めると思ったら、なにやら熊手のようなカキ落としと網で蛎殻やイガイを採取しているようだ。
今の時期はもうイガイも付いていないだろうとな...と同情していたのだが、案の定1時間以上採取しているのに獲物はイガイの殻の中にたまたま居た?タンクガニが数匹採れただけみたいである。
しかし、彼らが釣り始めて事態は急変した。
なんと彼らはそのタンクガニでしかも爪だけで爆釣してしまうのである。
私はその釣り人にその釣の一部始終を見せて貰った。凄いとにかく凄い、あの硬い爪だけで立て続けに5枚釣ってしまった。
ありがたいことに貴重なタンクガニを一匹分けていただいた。私もさっそく大きい方の爪を優しくもぎ取って、キリで穴を開けハリを刺した。
すぐにアタリがあり生まれて初めてタンクの爪でチヌをかけた。
私はその釣り人の話を聞いて、またまた衝撃を受けた。
秋口終盤に入るこのシーズンはフジツボで食わなくなるとタンクの爪がここでの定番だという。
その理由は牡蠣やイガイの殻の中にタンクガニは生息していて、今の時期に殻から爪(大きい方のはさみ)だけ出して「おいでおいで」をするのだそうだ。そうだ、あのシオマネキと同じように、雌を呼び寄せるための行動(ダンス)だ。
その爪をチヌが狙っているというのだ。

それからの私は「タンクガニ」が大好きになった。
できれば家で飼いたいと思っている...


もしフカセ釣りで...
チヌの釣り方は色々あるが九州で人気なのは何といっても、フカセ釣り(浮き釣り)とダゴチン(カセ・筏釣り)である。
その二つの釣りのエサは主流はフカセでは「オキアミ」・ダゴチンでは「オキアミ・シャコ・岩虫等」でチヌの主食であるカラスガイは何処にも出てこない。どうしてだろう??
一種の(定番)ルールとしてオキアミが定着しているのか?入手の手軽さだろうか?あれだけチヌの胃袋には納まっているのに....
確かにカラスガイはハリに装着しにくいし、回転するし、使いにくい。磯や筏ではカラスガイよりアケミ貝の方が適しているのかも知れない。
しかし、もし、フカセ釣りの人が浮き釣りでカラスガイを使いこなしたとしたら...
考えただけでも、ぞっとする。撒き餌もするだろうから、爆釣は間違いないだろうし、我々落し込み釣りは太刀打ち出来ないだろうな...

南極からオキアミが居なくなりませんように...


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